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第44回 「2018年度税制改正案」でフリーランスが減税になるってホント?(前編)

更新日:2018年1月25日

今回の相談者は、前回に引き続きフラーランスデザイナーのDさん。
先日Dさんがニュース番組で、「2018年度税制改正案」が成立すれば、自営業者の所得税が減税される可能性があると報道されているのを見ました。「これはいいことを聞いた!」とよろこんだDさん。自分でも調べてみましたが、いまいちよくわかりません。そこで詳しい話を聞こうと、またまたリリ先生のもとをたずねてきました。

Dさん
リリ先生、今年もどうぞよろしくお願いいたします。さっそくですが、先日、2018年度税制改正案で自営業者やフリーランスの所得税の減税が検討されていると聞きました。これはホントですか?
リリ先生
本当です。2018年度税制改正案でそのような案が盛り込まれています。
Dさん
おお、やっぱりホントだったのか!
ぼくも自営業者ですからとても興味があって、いろいろ調べてみたのです。でも、いまいちよくわからなくて。今日はリリ先生に、2018年度税制改正案が、自営業者にとってどうメリットがあるのかを詳しく教えていただこうとお邪魔しました。
リリ先生
では、2018年度税制改正案の、自営業者の税制に関わる主な変更についてご説明しましょう。
ただし今回の内容はあくまで“改正案”ですから、まだ成立したわけではないことをご了承ください。また、正確にご理解いただくために、税制の基本的な情報から説明していくことになります。その分、いつもより長めの説明になるかもしれませんが、よろしいですか?
Dさん
もちろんです。自分にとってメリットのある情報ですから、詳しく教えてください!
リリ先生
わかりました。では、さっそくはじめましょう。今回の税制改正では、所得税の「所得控除」というものが変わることで、フリーランスの方には減税になると言われています。ここでDさんに質問ですが、「控除」とはなにかご存じですか?
Dさん
聞いたことはあります。ただ、どういうものかよくわかっていないというのが正直なところです。
リリ先生
控除とは、所得税を計算する際に、税の対象となる金額から差し引くものです。控除を差し引くことによって税の負担が軽くなります。そのため、控除が大きいほど税の負担は軽くなり、控除が小さいほど税の負担が重くなるんですね。
Dさん
なるほど。
リリ先生
この控除には、大きくわけて「所得控除」と「税額控除」の2つがあります。
所得控除は、税金の計算時に税率をかける前の所得から差し引くもの。税額控除は、税率をかけた後の税額から差し引くものです。
Dさん
つまり、所得控除と税額控除は、税金が減額されるタイミングが違うわけですね。
リリ先生
そういうことです。
それで、2018年度税制改正案で変更される可能性があるのが、所得控除の一部ということになります。
Dさん
えーと、税金を計算する際に、税率をかける前に差し引く方の控除ですね。
リリ先生
はい。
今回の税制改正では、おもに次の3つの所得控除が変更される見込みです。
1.基礎控除:一律10万円引き上げ。現在38万円→変更後は48万円に(所得により異なる)。
2.給与所得控除:一律10万円引き下げ。具体的な額は給与額により異なる。
3.公的年金等控除
このうち、Dさんのように自営業で働いている人に関係するのが、ひとつめの「基礎控除」の変更です。
Dさん
その基礎控除というのは何でしょう?
リリ先生
すべての納税者に適用される控除のことです。通常、控除を適用するには、各控除の要件をクリアする必要がありますが、基礎控除については、すべての納税者に一律に適用されます。
Dさん
ぼくのようなフリーランスにも適用される控除というわけですね。
リリ先生
そういうことです。
それで、この基礎控除は現在38万円となっていますが、2018年度改正案が成立すると、48万円に引き上げられます。ということは、Dさんにどのような影響が出るかわかりますか?
Dさん
えーと、確か、控除額は大きくなればなるほど税金の負担が減るんですよね。ということは、基礎控除が増えると…、そうか、ぼくの税金の負担は減るわけですね!
リリ先生
その通り。
Dさん
これが、2018年度税制改正案でぼくたち自営業者が減税になるということか!
リリ先生、今回もとてもよくわかりました。ありがとうございました。
リリ先生
いやいや、ちょっと待ってください。今の説明だとまだ半分しか伝えられていません。実は、自営業の人でも、高額所得者は、基礎控除が引き下げられて税負担が増えます。さらにDさんのような自営業の人が確定申告をする青色申告に関係する控除も変わるので、税制改正案をもう少し詳しく理解しておきましょう。
Dさん
じゃ、その辺りも教えていただけますか?
リリ先生
もちろんです。
ただ、今回はちょっと長くなってきたのでここまでにしましょう。次回、後編で続きをお話しますね。
(後編へ続く)

今回のまとめ
  • 控除とは、所得税を計算する際に、税の対象となる金額から差し引くもの。控除が大きいほど税の負担は軽くなり、控除が小さいほど税の負担が重くなる。
  • 控除には、税金の計算時に税率をかける前の所得から差し引く「所得控除」と、税率をかけた後の税額から差し引く「税額控除」の2つがある。
  • 2018年度税制改正案で変更が検討されているひとつが「所得控除」である。主な変更内容は次の3つ。
    1.基礎控除:一律10万円引き上げ。現在38万円から変更後48万円に。
    2.給与所得控除:一律10万円引き下げ。具体的な額は給与額により異なる。
    3.公的年金等控除
  • 自営業者含め、すべての人に関係するのが、基礎控除の変更。現在の38万円から48万円へと控除額が増えると、税の負担が減ることになる。ただし所得によって控除額は異なる。
ファイナンシャルプランナー 加藤梨里

ガイドProfile

加藤梨里(Lili Kato)

マネーステップオフィス株式会社 代表
ファイナンシャルプランナー(CFP®認定者)
マネーマネジメントコーチ
金融知力インストラクター
保険会社、信託銀行勤務を経てファイナンシャルプランナーに。
金融教育機関や生涯学習センターなどでセミナー講師を務めるほか、
日本FP協会での相談業務や金融教育授業にも多数携わっている。

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