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第34回 国民年金の受給資格が“10年納付”に短縮!実際、どれくらいもらえるの?

今回の相談者は、前回に引き続きDさん。Dさんはフリーランスのデザイナーとして活躍していますが、独立したての頃は資金のやりくりに困り、国民年金を納付できなかった時期も…。そんなこともあり「将来年金はどうなるんだろう…」と不安を抱いていました。ところが最近気になる情報を耳に。国民年金の受給に必要な保険料の納付期間が大幅に短縮されたというのです。一体どういうこと?詳しいことを聞きに、またまたリリ先生のもとを訪ねてきました。

Dさん
こんにちはリリ先生。今回は、国民年金について教えていただければとお邪魔しました。実はぼくは独立したての頃、国民年金の保険料を納付できない時期もあって、将来ちゃんと国民年金をもらえるかずっと不安だったのです。それが先日、仕事仲間から「年金をもらうための納付期間が短くなった」と聞いたんですね。これは本当ですか?
リリ先生
本当ですよ。もともと国民年金(老齢基礎年金)の受給には、保険料を25年間支払う必要がありました。それが昨年の改正年金機能強化法(※1)の可決により、今年(2017年)の8月1日からは、保険料を10年以上納付していれば国民年金を受け取れるようになったのです。
(※1 「公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律の一部を改正する法律」のこと)
Dさん
おお、本当だったのか!それはうれしい!
ちなみにその改正って、やっぱりぼくみたいに、理由があって一定の期間、保険料を支払うことができなかった人のために行われたものでしょうか?
リリ先生
基本的にはそういうことになります。
これまで、生活の事情などから国民年金の保険料を支払うことができず、「保険料を25年以上支払う」という要件を満たせない人が少なからずいらっしゃいました。その場合は、65歳になっても国民年金を全く受け取れません。仮に24年11ヶ月支払っていたとしてももらえる金額は基本的にはゼロでした。
Dさん
うわあ、厳しいんですね。
リリ先生
それが今回の改正によって、10年~24年11ヶ月支払っていた人も、国民年金を受け取れるようになったのです。つまり、国民年金を受け取れる人がこれまでよりも増えたというわけですね。ちなみに新たに支給対象となる人は約64万いると言われているんですよ。
Dさん
それはけっこうな人数だなあ。何にしろ、ぼくみたいに未納期間がある人ももらえる可能性が高まったというのは喜ばしい限りです。
でも気になるのが、納付期間によって、もらえる国民年金の金額がどれくらい変わるのかということです。やっぱり10年納付した人と25年納付した人では、もらえる金額は変わってきますよね?
リリ先生
残念ながら同じ金額ではありません。
20歳から60歳まで、保険料を40年間支払った人は月額約6万5千円(※2)もらえます。従来の制度で支給されるために最低限必要だった25年間支払った場合は、月額約4万円(※2)になります。
Dさん
10年間支払った人だと?
リリ先生
10年間保険料を支払った場合は、月額約1万6千円(※2)になります。
(※2 平成28年度の国民年金額をもとに計算しています。受け取れる国民年金の金額は毎年変更されるため、将来受け取る際には支給額が変更されている可能性があります)
Dさん
月額約6万5千円と、月額約1万6千円かぁ、やっぱり受け取れる金額にだいぶ差が出るんだなあ。まあ支払った額を考えれば当たり前だけど。
あ、あと国民年金の制度には、保険料納付の免除とか猶予期間がありますよね。その期間は、短縮された10年にカウントすることはできるんでしょうか?
リリ先生
可能です。
ちなみに、納付期間が10年に満たない人でも、以下の2つの方法で「10年」という要件を満たすことができるんですよ。
■60歳から70歳の間に保険料を納める
通常、保険料の支払いは60歳で終了するが、それを延長する「任意加入制度」があるので、それを利用して10年に達するまで支払う。

■納めることができなかった保険料をさかのぼって納める
2018年9月までであれば、過去5年以内に納めていなかった保険料をさかのぼって支払うことができる。


上記については個々のケースによって詳細が異なる場合があるので、ご自身が該当するかどうかは必ず日本年金機構にご確認ください。
Dさん
リリ先生のお話を聞いて勉強になりました!今回もありがとうございました!

今回のまとめ
  • 国民年金(老齢基礎年金)の受給には、保険料を25年間支払う必要があったが、2017年8月1日からは、保険料を10年以上納付していれば受け取れるようになった。
  • 保険料を納付した期間によって、受け取れる国民年金の金額は変わる。
    保険料を40年間支払った場合は月額約6万5千円、25年間支払った場合は月額約4万円、10年間支払った場合は月額約1万6千円となる(※3)。
    ※3 平成28年度の国民年金額をもとに計算。
  • 保険料納付の免除や猶予を受けた期間も、短縮された「10年」のうちにカウントすることが可能。
  • 納付期間が10年に満たない人でも、「任意加入制度」を利用して60歳から70歳の間に保険料を納めることで、「10年」の要件を満たすことができる。また、2018年9月までであれば、過去5年以内に納めていなかった保険料をさかのぼって支払うことができる。この制度を利用し「10年」の要件を満たすことも可能である。
ファイナンシャルプランナー 加藤梨里

ガイドProfile

加藤梨里(Lili Kato)

マネーステップオフィス株式会社 代表
ファイナンシャルプランナー(CFP®認定者)
マネーマネジメントコーチ
金融知力インストラクター
保険会社、信託銀行勤務を経てファイナンシャルプランナーに。
金融教育機関や生涯学習センターなどでセミナー講師を務めるほか、
日本FP協会での相談業務や金融教育授業にも多数携わっている。

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